皆さんはデビットカードをお持ちですか?
近年、楽天カードなどを中心にデビットカードの利用者数がクレジットカードの利用者数に迫る勢いで増加しています。
海外では、イギリスやアメリカがクレジットカードよりもデビットカードの利用者数を上回ったという報道も出ていることから、今後デビットカードの需要がどんどん高まっていくことが予想されます。
デビットカードはクレジットカードと違い、カード発行に伴う審査が緩い、もしくは無いという情報があります。

今回は、デビットカードとクレジットカードの違いを考えながら、デビットカードの審査の仕組みについて解説していきます。
目次
デビットカードとクレジットカードの違いとは?


ここでは、それぞれの違いをひとつずつ確認していきます。
支払いシステムが違う
デビットカードは一括払いが原則ですが、クレジットカードは分割払いが可能です。デビットカードは銀行の口座から直接支払いを行うカードです。
クレジットカードは、カード会社が代行して取引相手にお金を立て替え、後日契約者の口座から引き落とされる仕組みです。
カード会社の締め日によっても違いますが、おおむね支払いまでに1ヵ月ほどの猶予が発生するのがクレジットカードです。
発行元が違う
デビットカードの種類によっても違いますが、現在流通しているデビットカードは「VISA」と「JCB」と提携している銀行が発行元になります。
それに対してクレジットカードは、VISAやJCBと提携した「銀行」や「法人」が発行元になります。
国際ブランドである「VISA」や「JCB」と提携しているという点は、デビットカードもクレジットカードも共通しています。
以下にデビットカードを発行している銀行を一覧表にしました。銀行名とデビットカード名、そして年会費が必要な場合は、その年会費の概要を簡単に記載しています。
デビットカードを選ぶ際の参考にしてください。
銀行名 | デビットカード名 | 年会費 |
---|---|---|
三菱東京UFJ銀行 | 三菱東京UFJ-VISAデビット | 無料 |
三井住友銀行 | SMBC VISAデビット | 無料 |
PayPay銀行 | JNB Visaデビット | 無料 |
楽天銀行 | 楽天銀行JCBデビットカード | 無料 |
楽天銀行VISAデビットカード | 1,029円/ゴールド3,086円 | |
住信SBIネット銀行 | キャッシュカード(VISA) | 無料 |
以前は日本の銀行は、海外に比べてデビットカードの申し込みから発行までが遅く、2010年頃はほとんどデビットカードを発行している銀行がありませんでした。
楽天銀行をはじめとする、ネット銀行が主流化した現在は、ほとんどの銀行がデビットカードを発行するようになりました。
審査が違う
デビットカードは基本的にカード発行に伴う審査がありません。
クレジットカードは、基本的に審査があります。審査の基準に関しては、カードの種類や、ランク、グレードなどによって審査基準が変わりますが、必ずと言っていいほど審査が必須です。
発行できるのは、最低でも高校生を除く18歳以上と年齢制限もあります。
デビットカードは、15歳の学生でも持つことができます。(※銀行によって条件は異なる)
CREDIT=信用という意味ですので、悪い言葉を使うと、信用が無くても作れるのが、デビットカードで、信用が無ければ作れないのがクレジットカードということです。
ポイントの違い
デビットカードもクレジットカードも基本的にポイントは貯まります。
しかし、そのポイント還元率には大きな差があるものもあります。
以前はデビットカードにはポイントサービスがついていませんでしたが、楽天銀行のデビットカードのポイントプログラムによって、多くの契約者を増やしたことから、他の銀行もデビットカードの使用でポイントを付与するなどのサービスが追加されています。
しかし、クレジットカードと比べると、ポイント還元率はかなり低いと言えます。
利便性の違い
デビットカードもクレジットカードも、お店での買い物などに使えるのは共通していますが、デビットカードでは一部のお店やサービスに関しては、利用できない所もあります。
他にも海外旅行でホテルに宿泊する際に支払う「デポジット金」もデビットカードでは支払うことができません。
クレジットカードと同じように使えると勘違いして、ガソリンスタンドでは使えずに困ってしまったというケースもあります。
不正利用に対する安全対策の違い
デビットカードとクレジットカードには、不正利用(スキミングや盗難など)に対する補償サービスが付与しています。
しかし、その補償額や補償発生の条件に差があるのは大きな違いと言えます。
最近では、デビットカードとスマホアプリを連携させるサービスも流行していて、使うたびにアプリで使用履歴を教えてくれる機能もついています。
このアプリを活用することで、不正利用にすぐに気づくことができる対策をしているデビットカードもあります。
デビットカードの種類にもよりますが、海外での不正利用に対する補償が手厚いデビットカードもあります。
以下に、デビットカードの補償内容をまとめた表を挙げておきます。デビットカードを選ぶ際の参考にしてくだいさい。
楽天デビットカード(VISA) | 補償・保険なし |
楽天ゴールドデビットカード(VISA) | ・購入した商品が盗難にあったとき。購入した商品を不注意で壊してしまったとき。購入した商品が火災で焼失してしまったとき。 ※盗難の場合、警察への届け出が必要 補償限度額:300,000円(※1回の事故及び年間の保証金合計額) 免責金額:5,000円以下 補償期間:購入日から60日間 |
セブン銀行デビットカード | 紛失・盗難による不正利用被害を被ったとき。 1事故あたり500万円を上限として補償 ※紛失・盗難の届け出を受けた日の60日前以降の利用が対象 |
三菱UFJ-VISAデビットカード | ショッピング保険:カードを利用して購入した商品の破損・盗難 年間100万円を上限として補償 ※購入日から60日間補償(自己負担額5,000円/1事故あたり) 不正利用補償:偽造・盗難カード等が第三者によって不正利用された場合、連絡を受けた日から60日前までさかのぼり、その日以降に発生した損害について年間100蔓延を上限として補償 ※ユーザーの故意または過失に起因する被害等で補償できない場合もあり。 |
住信SBIネット銀行デビットカード | 紛失や盗難でカードが不正利用された場合 届け出の日から30日前まで遡って被害額を補償される。 ※ユーザーの故意または過失に起因する被害等で補償できない場合もあり。 |
デビットカードに審査はない?

デビットカードには基本的に審査はありません。

ここではデビットカードの審査について解説していきます。
なぜデビットカードには審査がないのか?
デビットカードは口座から直接お店や取引先に代金を支払うということを説明しました。口座にお金が入っていなければ、そもそも取引自体が成立しません。
クレジットカードの場合は、クレジットカード会社が代金を立て替えて、後日口座から引き落としで代金を支払います。
口座にお金が無くても、商品やサービスの購入ができてしまいます。その担保になっているのは、「信用」です。
引き落とし日に契約者の口座にお金がなければ、契約者のクレジットヒストリーに「支払いの延滞」というペナルティが付きます。
これが長期にわたって支払いがされなければ、「長期延滞」となって、クレジット会社が提携する信用情報機関のブラックリストに契約者の名前が載ってしまいます。
カード会社はこのような状態にならないために、契約者の返済能力を事前に審査し、カードを発行しても問題無い契約者かどうかを判断しています。
そのため、デビットカードには審査が必要ないのです。
デビットカードは一括払いしか選べないから審査不要
クレジットカードでは、購入した商品やサービスを一括ではなく、分割で支払うことができます。
この際に、分割手数料を上乗せして、毎月決まった日に契約者の口座から引き落とされます。
分割払いを選択した場合、分割で支払った金額の返済が終わらない限り、カード会社は契約者の借金を背負っていることになりますよね。
もし、口座にお金が無く、契約者が支払いできない状態になってしまうと「貸し倒れ」になってしまい、カード会社が損失を被ってしまうことになりかねません。
そのため、審査を行い、カード発行の信用に足る契約者であるかを審査します。
デビットカードは、一括払いでしか利用できません。
しかもリアルタイムでの引き落としなので、商品やサービスを購入するタイミングで、口座にお金が無ければ、取引自体をすることができないということを先ほど述べました。
審査がないのにデビットカードの審査に落ちた人はいる?どうして落ちた?

審査が無いはずのデビットカードなのに、銀行側から発行を拒否された人も実際にいます。
デビットカードの審査に落ちる人の理由は大きく分けて3種類に分けられます。
- 銀行口座を作れない
- 申し込み書に不備がある
- 与信機能のあるデビットカードを申し込んでいた
大体がこの3つです。
一つずつデビットカードの審査に落ちる理由について解説していきます。
銀行口座を作れない人
銀行口座を作れない人というのは、銀行口座を作るための基準に達していない人を指します。
特に多いのが、銀行が定めた最低年齢に達していない人です。銀行の口座開設に必要な年齢は銀行によって異なります。
15歳以上と定めている銀行もあれば、18歳以上としている銀行もあります。
自分の年齢と、銀行口座開設に必要な年齢に達していなければ、デビットカードはおろか、銀行口座すらも作れません。
銀行を替えて申し込むか、最低年齢に達するまで待つ必要があります。
他には、一部のビザで入国している外国人もデビットカードや銀行口座を作ることはできません。
日本に住んでいる人で、きちんとしたビザがあれば、発行してもらえますが、観光ビザ(短期滞在ビザ)では基本的に銀行口座を作ることはできません。
また、ある一定の国には「マネーロンダリング」の可能性もあるため、発行を認められていない場合もあります。
本人確認ができない方も銀行口座を作ることはできません。銀行によって口座開設に必要な書類が異なります。
基本は免許証一枚あれば問題ないのですが、免許証が無い場合、銀行によっては健康保険証の他に、住所が記載してある公共料金の請求書などの提示を求められる場合があります。
無い場合は、一度自宅に取りに戻ればいいですが、もし持っていない場合には銀行口座開設ができません。
反社会勢力やホームレスの方も銀行口座の開設を断られます。
酷な話ですが、反社会勢力の家族(反社会勢力とは関係ない)も銀行口座開設やデビットカードの発行はできない場合もあります。
申込書に不備がある
デビットカードもクレジットカードも申し込む際には、決められた申し込み書に必要事項を記載して提出する必要があります。
この申し込み書を書き間違えたまま提出すると、銀行口座開設もデビットカードの発行もできない場合があります。
不備があれば書き直せばいいですが、嘘の記述をしていた場合、銀行口座の開設を断られることもあります。
嘘の記述で銀行口座を開設したことがバレると、犯罪に加担しているのではないかと思われてしまいます。

記入を間違えた場合は、斜線を引いて訂正印を押して対応するなど、銀行ごとに決められた手順で修正をおこないますので、自分で勝手に判断して、申込書の記入方法を変えないようにしましょう。
与信機能のあるデビットカードを申し込んでいた
デビットカードには基本的に与信機能はありません。現金を借りるキャッシング機能や、口座にお金が無い場合の立て替え機能が与信機能です。
ただし、まれにデビットカードに、キャッシングなどの与信機能が付いているものもあります。
イオンで発行しているイオンデビットカードのバックアップサービスが与信機能付きのデビットカードです。
サービスとは言っても、れっきとしたクレジット機能であることに変わりはありません。
申し込む際にはイオンと提携しているクレジット会社の審査が発生します。
クレジットカードが過去の金融事故履歴のせいで作れない方は、ほぼ確実に(信用情報機関の金融事故履歴に名前が載っている場合)イオンデビットカードを作れません。

デビットカードに落ちたからとあきらめるのは早い!
デビットカードの審査の仕組みについて解説してきました。
デビットカードには基本的に審査はありませんが、銀行口座を作る際に、何か問題が起こっていたり、申し込んだデビットカードに与信情報が必要なカードだったりした場合には、審査が無いはずのデビットカードに審査が発生し、審査次第ではデビットカードを発行できないということもあります。
デビットカードの落ちたからといってあきらめるのではなく、どうして発行に至らなかったのかを、もう一度よく考え、再度審査が発生しないデビットカードの申し込みをしましょう。
クレジットカードほどの利便性はありませんが、1枚あるだけでかなりの利便性があるカードです。
今後、発行元の銀行もデビットカードで支払いができるサービスを増やしていくことが予想されます。
お金を管理する部分では、クレジットカードよりも容易に管理できるカードですので、ぜひとも作って頂きたいカードです。