デビットカードには国際ブランドである、「JCB」や、「Visa」の他に、日本国内でしか使えない「J-Debit」があります。
J-Debitは、限定的なショップしか使えない上、発行している金融機関のATM利用可能時間に使用可能時間が限られるというデメリットがあり、あまり普及していないのが現状です。
現代の日本の生活リズムは、昔のように朝は仕事で夜は自宅で就寝というわけではありません。
深夜でもOPENしているショップや、レストランがありますし、生活のリズムが昼夜逆転している人もいます。
デビットカードは、クレジットカードと同じように現金決済ではなく、カード決済で支払いができるカードです。
国際ブランドである「JCB」や「Visa」は、J-Debitのデメリットであった利用可能時間と、利用可能店舗数を解消し、現在のデビットカードのメインストリームにいると言っても過言ではありません。
今回は、国際ブランドであるVisaデビットカードについて詳しく解説していきます。
Visaデビットカードのメリットやデメリット、使い方から、Visaデビット独自の特典などを徹底的に掘り下げていきます。

ここでは、Visaデビットカードの特徴についてまとめていきます。デビットカードを、JCBかVisaで悩んでいる方は必見のコラムですよ!
目次
VisaクレジットカードとVisaデビットカードの違い

これはVisaに限ったことではありませんが、クレジットカードとデビットカードは、使える場所などはほぼ同じです。
ただし支払いの決済システムが異なっています。
クレジットカードで買い物をした場合、一旦クレジットカードを発行したクレジット会社が全額を立て替えて支払う相手(ショップなど)に決済を行います。
そして、その後で立て替えた金額を口座引き落としにて返済してもらうというのがクレジットカードの決済の仕組みです。
分割払いや、リボ払い、ボーナス一括払いなど、支払い回数を選択できるのもクレジットカードの特徴です。

口座から直接支払い相手(ショップなど)に引き落としが行われるのが、デビットカードです。
分割払いやリボ払い、ボーナス払いといった、立て替えで成り立つ支払い方法が選択できないのは、その決済方法ゆえのデメリットということになります。
VisaやJCBの国際ブランドは、クレジットカード会社ではありません。あくまでも「決済技術」を提供している会社に過ぎません。
加盟店とユーザーの双方をVisaの決済技術によって、決済を成立させているのが、Visaの役割です。

クレジットカードとデビットカードの違いを、簡単に表にしましたのでご確認ください。
比較項目 | Visaクレジットカード | Visaデビットカード |
---|---|---|
種類 | クレジットカード | デビットカード |
年会費 | 無料~10万円 | 無料~数千円 |
発行費用 | 無料 | 無料 |
入会金 | 無料 | 無料 |
有効期限 | 5年程度 | 5年程度 |
利用限度額 | 10万円~1000万円以上 ※カードの種類による | 口座残高の範囲内 ※発行元によって制限あり |
支払い方法 | 分割、一括、リボ、ボーナス | 一括払いのみ |
年会費に大きな差がありますが、これは発行するクレジットカード会社や金融機関によって異なるためです。
残高を確認しながら利用できる
クレジットカードは、利用した金額がすぐに口座から引き落とされるデビットカードとは違い、「締め日」が発生します。
締め日までの期間で利用した金額を集計し、クレジットカード会社の設定した日に銀行口座から引き落とされる仕組みです。
そのため、利用した直後はいくら使用したのかが分かりにくく、ついつい使い過ぎるということにも繋がってしまいます。
デビットカードは、口座残高以上の買い物ができないため、残高を確認しながら計画的にお金を使うことができます。
デビットカードの中には、スマホのアプリと連動しており、一目であといくら口座に残っているのかがわかるタイプのものもあります。
世界加盟店数ナンバーワンの実力
Visaは、世界加盟店数ナンバーワンを誇る巨大ブランドです。
日本国内はもちろん、海外のショップのほとんどで利用が可能です。
ライバルであるJCBは、日本国内ではVisaと同等の加盟店数ですが、海外に関してはVisaに一日の長があります。
海外旅行では、JCBよりも利便性が高いカードです。
現地通貨をATMで引き出せるのも特徴で、VisaマークやPlusマークの付いたATMでは、日本の口座にある現金を現地通貨に換算して引き出すことができます。
一部のJCBデビットカードにも、同じような機能はありますが、Visaデビットカードのほとんどが、海外のATMに対応しています。
現金を持ち歩くよりも便利且つ安全・安心
デビットカードの共通のメリットとして、現金を持ち歩かなくてもいいという点が挙げられます。
特に海外では、そのメリットは充分に発揮されるでしょう。海外は、日本に比べると治安がいいとは言えない場所が多いです。
アメリカやフランスなど観光客が多い国ほど、治安が悪いと言われています。
もしひったくりなどの犯罪被害に遭ったとしても、デビットカードであれば、現金を持ち歩く必要がないため、被害額を最小限にすることができます。
現金を引き出す必要がないから手数料いらず
デビットカードは、ほとんどのショップで使うことができるため、現金を引き出す必要がありません。
ほとんどのデビットカードは、キャッシュカード機能と一緒になっています。
現金を引き出して使うのではなく、カード決済でそのまま支払いができるため、現金を引き出す際のATM利用手数料がかからないというメリットもあります。
もちろんデビットカードを発行している金融機関によっては、平日昼間のATM利用が無料の所が多いですが、コンビニなどでは数百円のATM利用手数料が発生する場合もあります。
一回216円の手数料の場合、1カ月で5回現金を引き出しただけで1,000円以上、1年で12,000円以上の手数料を支払っていることになります。
不正利用やショッピング保険も付帯
ほとんどのVisaデビットカードは、JCBデビットカードに比べ、ショッピング保険や海外傷害保険などが優遇されています。
JCBデビットカードにも、それらの保険が付帯している場合もありますが、数はかなり限られていると言えるでしょう。

Visaデビットカードの使い方や独自の特典

ここでは、Visaデビットカード独自の使い方や特典について解説していきます。
カードをタッチするだけで決済ができる「VisaPayWave」
最近になってテレビCMでもアピールしていますが、カードをタッチするだけで支払いが完了する「VisaPayWave」が、Visaデビットカード/Visaクレジットカード特有の使い方です。
もちろん、カードをスタッフに渡して決済処理をしてもらうという方法もできます。
なぜこの決済方法が導入されたのかというと、「スキミング詐欺」と言われている、カードの不正利用が背景にあります。
海外では、安全安心をアピールするために、この「VisaPayWave」の端末を導入するお店が増えて生きているそうです。
日本でも2020年の東京オリンピックに向けて、導入が加速するだろうと言われています。Visaのクレジットカードだけではなく、デビットカードも対象になっています。

Expedia特別優待
Visaクレジットカードと同じように、旅行サイト「Expedia」の特別優待が受けられることもあります。
中にはクレジットカード、ゴールドカードのみという特典もありますが、デビットカードでも同じような特典が数多くあります。
これはデビットカードを発行した金融機関に紐づくものではなく、Visaブランド独自の特典です。
Visaデビットカードを持っているだけで優待が受けられるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
2018年9月現在の特別優待は、レストランやホテルでの料金が15%~20%割引になるというものです。
海外旅行に行く際は、特別優待が受けられる観光地かどうかを事前にチェックしておきましょう。
Visaデビットカードのメリットとデメリット

Visaデビットカードの特徴について解説してきました。
ここからは、Visaデビットカードのメリットとデメリットについて、まとめていきます。先ほどの「特徴」と若干重複する部分がありますが、まとめという意味でご確認ください。
Visaデビットカードのメリット
Visaデビットカードの主なメリットは以下です。
- 世界加盟店ナンバーワンで海外の店舗では使える場所はデビットカード中最強
- 海外ATMで安い手数料で現地通貨を引き出せる
- ショッピング保険や国内外旅行傷害保険が付帯しているものが多い
- VisaPayWaveが使える
- Visaブランド独自の特典(Expedia優待など)を受けることができる
- 発行している金融機関が多い
やはり一番メリットを感じるのは「海外での利用」に尽きます。
海外旅行には必ず持っていきたいカードですね。
Visaデビットカードのデメリット
Visaデビットカードのデメリットは以下です。
- 年会費がかかるカードが多い
- ポイントやキャッシュバック還元率はJCBに比べると低い
- 日本国内の利用に限っては、JCBの方が総合的にお得なものが多い
最近になって徐々に増えてきましたが、年会費が無料のものが多いJCBデビットカードに比べて、年会費が発生するカードが多いです。
デビットカードで有名な楽天カードも、JCBデビットカードは年会費永年無料ですが、Visaデビットカードに関しては、年会費が2,160円のシルバーカードと、年会費5,400円のゴールドカードがあります。
ただし、ポイント還元率はこれまでの0.2%/0.5%から、JCBデビットカードと同じ1.0%まで引き上げられました。

楽天は例外として、Visaデビットカードのポイントやキャッシュバックの還元率は総じて低いです。
JCBデビットカードは、最低でも0.5%のポイント還元率なのに対し、Visaデビットカードは、0.2%、0.3%といった低還元率のものがほとんどです。
ライフステージ別のメリット

Visaデビットカードを選ぶ際には、自分の生活圏が生活サイクルに合わせて検討をするべきです。
ここでは、ライフスタイルが分かれる、「ライフステージ」別のメリットを挙げていきます。
サラリーマン・OL
会社勤めをしているサラリーマンやOLの方は、年代によって肩書が変わる分、お金のやりくりにも変化が現れます。
アフター5の飲み会もそうですし、出張費用なども部署や、肩書で変わってきますよね。
そんなときに便利なのが、「マイル付きのVisaデビットカード」です。
年代に関わらず、出張が多い会社の方は移動で飛行機を利用する場合がほとんどです。
クレジットカードで支払うと、一括払いではない限り、分割手数料がかかってしまい、後から会社の経理で清算してもらうときにも計算が面倒になってしまいますよね。

Visaデビットカードでマイル付与があるカードは、「スルガ銀行ANA支店」が発行しているVisaデビットカードです。
移動だけではなく、公共料金の支払い口座にしてもマイルが貯まるカードです。仕事も移動もスマートにできるのがメリットですね。
10~20代
Visaデビットカードは、最低年齢15歳から作ることができます。高校生になってアルバイトを始めたら、自分で給料を管理できるようになります。
その管理方法を学べるのがデビットカードです。
学生時代には、卒業旅行や修学旅行など、何かと遠出することが多いと思います。
そんなときに、国内外の旅行に強いVisaデビットカードがあれば、お金のやりくりをしながら、万が一にも備えられるという事ですね。
30代
家庭をもって、自由に使えるお金が制限されるのがこの年代です。
日頃のストレスがたまり、散財して給料日前には「すっからかん」という事も珍しくないでしょう。
そんなときには、デビットカードでお小遣いを管理してみてはいかがでしょうか?

40代
ある程度収入も増えてくると、お金の管理を自分でするというのが難しくなってくる年代です。
お小遣いの管理だけでなく、交際費も何かとかさむ年代でもあります。
必要な経費だと思っても、現金管理や、クレジットカード管理では何かと「おだいじん」してしまう可能性も高くなりますよね。
そんなときには、アプリで収支管理ができるデビットカードを検討してみてはいかがでしょうか?
デビットカードは何も一枚だけでやりくりする必要はありません。交際費用、お小遣い用と分けて持っていてもいいでしょう。
その中からやりくりすれば、使いすぎることもありませんし、交際費の節約にもつながります。
主婦
お金の管理を任されている主婦だからこそ、デビットカードの複数持ちを奨励します。
旦那のお小遣いや、子供の学費など、何かと出費で頭を悩ませるかも知れません。
しかし、支出をデビットカード毎に管理すれば、節約にもつながりますし、上手くやれば「へそくり」だって貯められるかもしれません。
シニア
年金などで生活しているシニア層は、安全のためにデビットカードを利用することをおすすめします。
昨今流行している「特殊詐欺」などの対策として、デビットカード兼キャッシュカードで、1日の引き出し限度額を自分で制限できるようなデビットカードが良いでしょう。
高額な金額を引き出す際には、窓口で手続きするようにしておけば、万が一特殊詐欺に引っかかっていたとしても、窓口で銀行員がSTOPをかけることもあります。
夫婦水らずで旅行を楽しみたいという方にも、Visaデビットカードがおすすめですよ。
デビットカードを選ぶときにはライフスタイルと照らし合わせて考えよう

今回紹介した、メリットやデメリットを踏まえ、お得なカードをチョイスしてくださいね。
特に海外旅行や海外出張が多い方には、JCBデビットカードよりもメリットが多いので、ぜひその点も検討材料に入れておくべきでしょう。
10人いれば、10通りの使い方があるように、皆さんにピッタリのVisaデビットカードがきっと見つかるはずですよ!