失敗しない海外でのデビットカード使い方ガイド

man
「海外旅行に行きたいけど、デビットカードしか持っていない!」
「デビットカードって海外でも使えるの?特別な手続きとか必要?チップは?」

などなど、海外旅行で一番困るのは、「お金」ですよね。

海外は日本に比べ、クレジットカードを使うのが当たり前の社会の高いため、クレジットカードを持っていない人にとっての海外旅行は、少々ハードルが高いと思われているのも事実です。

しかし、近年は、VISAやJCBといった国際ブランドのクレジットナンバーが付与されたデビットカードが、色々な金融機関などから発行されています。

海外での買い物も日本国内での使い方と同じようにサインレス、もしくはサインをするだけで取引が完了できるカードもあります。

デビットカードを海外旅行で使いこなすには、ちょっとしたコツが必要です。今回は、「失敗しない海外でのデビットカードの使い方」について解説していきます。

海外でのデビットカードの立ち位置は?

海外でのデビットカードの立ち位置は?

海外でデビットカードは、日本よりも遥かに認知度が高く、クレジットカードと同じように使われています。イギリスではクレジットカードユーザーよりも、デビットカードユーザーの方が多いという統計結果も出ているくらいです。

ここでは基本的なデビットカードとクレジットカード、国際キャッシュカードについて解説していきます。クレジットカードの国際ブランド3種類についても説明していきます。

デビットカードとクレジットカードの違い

デビットカードは、銀行口座にあるお金を使って、買い物やサービスを受けることができるカードです。クレジットカードは、口座にお金が無くても買い物やサービスを受けることができるカードです。

二つの大きな違いは、この銀行口座からの「直接決済」と、クレジットカードの「与信決済」の違いです。

クレジットカードは特定の日に、それまで使った金額を一括や分割で口座から引き落とされるのに対し、デビットカードはその取引の場所で決済が一括払いで完了します。

この決済方法の違いがデビットカードとクレジットカードの基本的な違いです。

デビットカードと国際キャッシュカードの違い

デビットカードと同じようで違うのが「国際キャッシュカード」です。国際キャッシュカードは、その名前の通り、外国で自分の日本にある銀行口座から、お金を引き出すことができるカードです。

旅行先の国で使える通貨(ドルやユーロなど)に両替して、現金を引き出すことができます。

デビット機能付きの国際キャッシュカードであれば、国際ブランドであるVISAやMasterCardの加盟店で使うこともできます。

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もちろん両替手数料や事務手数料はかかりますが、現地でわざわざ両替サービスを探す必要がないため、いざというときに便利なカードです。

国際ブランドVISAとJCB、MasterCardの違い

デビットカードがここまで知名度を上げたのは、国際ブランドであるVISA、JCB、MasterCardの力がとても大きいです。それぞれのブランドに加盟しているお店では、クレジットカードでなくとも、国際ブランドのデビットカードで買い物やサービスを受けることができます。

世界で最も有名なのは、「VISA」で、海外ではほとんどのお店で使えます

「MasterCard」はVISAに次ぐ世界第二位のブランドですが、MasterCardブランドのデビットカードはすでに日本では発行されていません

「JCB」は日本初のクレジットカードブランドで、5大国際ブランドの一つに数えられています。日本で発行できるデビットカードでは、JCBブランドのものが最も多いです。

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海外旅行に持っていくのであれば、VISAデビットカードか、JCBデビットカードがいいでしょう。

海外でデビットカードと使う方法とは?

海外でデビットカードと使う方法とは?
man
「海外旅行先でデビットカードを使う方法はどんな方法があるのでしょうか?」

ここからは、海外でのデビットカードの使い方について解説していきます。

デビットカード加盟店で使う

デビットカードには、VISAやJCBといった国際ブランドのナンバーが記載されています。VISA加盟店やJCB加盟店では、レジの近くなどにVISAやJCBのステッカーが貼ってあるため、使えるかどうかは判断できます。

しかし、サービスや商品によってはVISAやJCBの番号があっても、デビットカードが使用できないという場合があります。

例えば、ガソリンスタンドや、ホテルやレンタカーのデポジット金(保証金)などはデビットカードで決済できないことがあります。

旅行前に、現金を引き出しておくか、使用する取引先にメールなどで事前に確認を取っておくことが重要です。

海外ATMで使う

デビットカードは基本的にキャッシュカードの機能がついています。ただ、そのままの設定では使用できないこともあるため、海外旅行で使用する予定のデビットカードの発行元に、確認を取る必要があります。

国際キャッシュカードとしての役割を持つ、デビットカードの申し込みをしておいてもいいでしょう。

デビットカードの発行には、1ヵ月近くの時間がかかる場合があるので、旅行前の3ヶ月前にはデビットカードの海外利用準備をしておくべきです。

万が一不正利用や盗難が起こったら

クレジットカードには、不正利用や盗難などの、保証が基本オプションとして付いているものが多いです。

man
「デビットカードではどうなのでしょうか?」

多くの人が、この「セキリュティ面」で海外でのデビットカード利用を不安視しています。しかし、デビットカードでも、不正利用や盗難などに対する保証がきちんとついているのはあまり知られていません。

以下に、デビットカードについているセキュリティサービスについてまとめましたので参考にしてください。

現金にはない補償や保険がある

デビットカードによっては、補償や保険の機能が付いているものもあります。デビットカード毎に、保険や保証サービスの内容が異なるため、海外旅行前に確認しておくことが大事です。

ここでは、いくつかのデビットカードの補償や保険について一覧表にしました。

カード名補償・保険
楽天デビットカード(VISA)補償・保険なし
楽天ゴールドデビットカード(VISA)購入した商品が盗難にあったとき。購入した商品を不注意で壊してしまったとき。購入した商品が火災で焼失してしまったとき。
※盗難の場合、警察への届け出が必要
補償限度額:300,000円(※1回の事故及び年間の保証金合計額)
免責金額:5,000円以下
補償期間:購入日から60日間
セブン銀行デビットカード紛失・盗難による不正利用被害を被ったとき。
1事故あたり500万円を上限として補償
※紛失・盗難の届け出を受けた日の60日前以降の利用が対象
三菱UFJ-VISAデビットカードショッピング保険:カードを利用して購入した商品の破損・盗難
年間100万円を上限として補償
※購入日から60日間補償(自己負担額5,000円/1事故あたり)
不正利用補償:偽造・盗難カード等が第三者によって不正利用された場合、連絡を受けた日から60日前までさかのぼり、その日以降に発生した損害について年間100蔓延を上限として補償
※ユーザーの故意または過失に起因する被害等で補償できない場合もあり。
住信SBIネット銀行デビットカード紛失や盗難でカードが不正利用された場合
届け出の日から30日前まで遡って被害額を補償される。
※ユーザーの故意または過失に起因する被害等で補償できない場合もあり。
海外での盗難や不正利用に強いのは、JCB系のデビットカードの方が補償や保険機能が充実していますね。

VISAも補償や保険機能はついていますが、上限額が決まっていることもあり、海外での盗難や不正利用に対しては、JCBに後れを取っている状態です。

お金の使い過ぎがない

海外旅行で多いのが、「お金の使い過ぎ」です。お土産や現地でしか味わうことができない、料理や体験でついついお金を使い過ぎてしまい、帰国してクレジットカードの明細を見て驚愕することもしばしばです。

デビットカードであれば、自分の銀行口座にあるお金しか使えないため、残高をチェックしながら計画的にお金を使うことができます。

予算通りの金額を日本にいる時に入金しておけば、必要以上に使うということを防ぐことができます。

ただし、ドルやユーロなど現地のお金をキャッシングする場合は、手数料がデビットカードを使用するよりも割高になってしまうため、デビットカードを利用できないお店用に現金を両替しておく必要があります。

海外で使うデビットカードのメリットとデメリット

海外で使うデビットカードのメリットとデメリット
man
「海外でデビットカードを使う場合の、メリットとデメリットにはどんなものがあるのでしょうか?」

海外でのショッピングやサービスの支払いも即時引き落とし

国際ブランドである、VISAやJCBのデビットカードは海外のショップでも、海外の通販でも即時引き落としが基本です。

その場で為替の円換算レートで引き落としされるので、現地で両替する際の両替手数料分がお得です。

現地両替サービスを使わずに現地通貨を調達できる

海外のATMでは、現地通貨をデビットカードから引き下ろすことができます。現地の両替サービスを使わなくても現地通貨が手に入るため、両替手数料を支払う必要がありません。

デビットカードの種類にもよりますが、為替レートにATM手数料とプラス3%の為替手数料がかかりますが、現地で現金を両替するよりもお得です。

ただ、海外のATMで現金を引き下ろす場合は、前にも述べましたが、国際キャッシュ機能がないと使えない場合があります。VISA認証など、海外のATMで使えるのかという確認は必須です。

利用明細いらず

海外のレシートは、日本の細長いレシートに比べて大きいのが特徴です。IKEAなどに行ったことがある方はご存じかもしれませんが、幅が広く、商品名が全て記載されているのが特徴です。

1日ショッピング中心に観光するだけで、お財布の中が巨大レシートでいっぱいになってしまうこともあります。

デビットカードの場合、自動的に明細が即時記録されるので、受け取ったレシートはその場で捨ててしまえる便利さがあります。

アプリなどと連携しているデビットカードであれば、使うたびに明細がメールで通知されるので、不正利用された場合でもすぐに気が付くことができます。

ホテルのデポジット(預り金)として使えない

ホテルをチェックインする際に支払うデポジットには、デビットカードを使うことはできません。

海外のホテルのほとんどはチェックイン時に、デポジットを求められます。デポジットは宿泊料金以外のサービスに支払われるお金で、何もオーダーしなければチェックアウト時に戻ってくるお金です。

即時決済が特徴のカードですから、お金を支払う機能に特化している分、預り金などの特殊な取引には使用できません。

ガソリンスタンドで使えない

海外旅行で国際免許を持っている場合、レンタカーを借りて観光できます。しかし、レンタカーを返却する場合には、ガソリンを満タンにして返す必要があり、デビットカードではガソリンスタンドの給油代が支払えないことが多いです。

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レンタカーを借りる場合には、デビットカードではなく、現地の現金を引き出してから支払う必要があることを覚えておきましょう。

海外旅行でおすすめのデビットカードを選ぶコツは?

海外旅行でおすすめのデビットカードを選ぶコツは?

海外旅行でデビットカードを使う場合の注意点やメリット、デメリットについて解説してきました。

man
「ではおすすめのデビットカードは、どんなカードなのでしょうか?」

もちろんデビットカードの発行元によって、海外利用に向き不向きがあるのも事実です。ここでは海外旅行でおすすめのデビットカードを選ぶコツについてまとめていきます。

VISA認証サービスが設定できるデビットカード

デビットカードには国際ブランドである、VISAのナンバーが与えられます。VISAには不正利用を防ぐために、「VISA認証サービス」というセキリュティサービスが付いています。

クレジットカードを使うときに、サインではなく、暗証番号の入力を求められる場合には「VISA認証サービス」が付いているカードということです。

デビットカードでもクレジットカード同様に暗証番号の入力で認証できるカードがあり、もし海外旅行中に盗難などがあった場合には、認証サービスがあれば第三者が使用できないように設定できます。

最低限、VISA認証サービスは、海外旅行でのデビットカードには付与させたいサービスです。

ICチップ付きデビットカード

デビットカードは、クレジットカード同様にスキミングなどの不正が行われる危険性を含んでいます。最近増えてきたのが、ICチップ付きのデビットカードです。

ICチップが付いているカードは磁気カードよりもセキリュティ性能が高く、海外で横行しているスキミング被害などを防止する効果があります。

ICチップが付いていないカードの場合、支払いの際にカードをスキャンさせる機械に読み取らせるだけで、デビットカードの情報が、盗まれてしまう可能性が高いです。

ICチップ付きのカードは専用のカード読み取り機がないと使えないため、スキミング被害で不正利用やカード情報の盗難などが起こりにくいとされています。

ATM手数料や海外サービス手数料が安いデビットカード

海外旅行でデビットカードを使用するときに気になるのが、やはり「手数料」です。キャッシングにしても、ショッピングでのデビットカード支払いにしても手数料は必ず発生します

為替レートが適用されて決済されますが、決済時に為替手数料や海外利用料など、カード会社ごとに手数料が異なります。海外旅行はお金がかかるものではありますが、少しでも手数料が安いデビットカードを使いたい所です。

キャッシングはとくに手数料の額が大きく、為替手数料の他に数百円のATM使用料なども発生します。

現地のATMによっても手数料が変わってくるため、色々なシチュエーションを考慮して、海外で使用するデビットカードを選ぶことが重要です。

カード会社ごとの手数料には、「海外事務手数料」や、「海外取引事務手数料」「決済為替手数料」など、カード会社によって呼び方が違う場合もあるので注意が必要です。
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基本的な手数料の種類を理解しておくことも重要です。

海外旅行でおすすめのデビットカード5選

海外旅行でおすすめのデビットカード5選

海外旅行でおすすめのデビットカードを一覧表にして紹介していきます。先ほど挙げた、「海外旅行でおすすめのデビットカードを選ぶコツ」を基準に厳選したデビットカードです。

man
「海外旅行でデビットカードを使いたい」

と考えている方は参考にしてください。

デビットカード名セキリュティ情報各種手数料備考
楽天銀行ゴールドデビットカード購入した商品が盗難にあったとき。購入した商品を不注意で壊してしまったとき。購入した商品が火災で焼失してしまったとき。
※盗難の場合、警察への届け出が必要
補償限度額:300,000円(※1回の事故及び年間の保証金合計額)
免責金額:5,000円以下
補償期間:購入日から60日間
年会費:3,086円
ATM手数料:無料
海外事務手数料:3.024%
・ATMキャッシング機能あり
手数料:3.024%+現地ATM手数料
・取引通知メールサービス有
・海外利用サポート24時間日本語サービスを受けられる
PayPay銀行VISA付デビットカード第三者に不正利用された場合、年間500万円まで補償年会費:無料
ATM手数料:無料
海外事務手数料:3.024%
・VISA/PLUSマークの付いたATMでキャッシング可能
・口座確認アプリがある
住信SBIネット銀行VISA付デビットカード紛失や盗難でカードが不正利用された場合
届け出の日から30日前まで遡って被害額を補償される。
※ユーザーの故意または過失に起因する被害等で補償できない場合もあり。
年会費:無料
ATM手数料:無料~108円
海外事務手数料:2.5%
・VISA/PLUSマークの付いたATMでキャッシング可能
・住信SBI銀行に米ドルの残高があれば、直接米ドルを使え、年間30回までポイント付与がある
・使用した場合にメールで通知サービス有
三菱東京UFJデビット(VISA)ショッピング保険:カードを利用して購入した商品の破損・盗難
年間100万円を上限として補償
※購入日から60日間補償(自己負担額5,000円/1事故あたり)
不正利用補償:偽造・盗難カード等が第三者によって不正利用された場合、連絡を受けた日から60日前までさかのぼり、その日以降に発生した損害について年間100蔓延を上限として補償
※ユーザーの故意または過失に起因する被害等で補償できない場合もあり。
年会費:無料
ATM手数料:108円
海外事務手数料:3.0%
・VISA/PLUSマークの付いたATMでキャッシング可能
・使用した場合にメールで通知サービス有
・毎月の買い物や支払いの利用金額でキャッシュバックがある。

海外でデビットカードを使うときにはセキリュティ面と手数料面を考慮して選ぼう

海外で失敗しないデビットカードの使い方、選び方について解説してきました。

使い方を学ぶことも大事ですが、それよりも海外旅行になんのデビットカードを選択するかが重要だということがお分かりいただけたかと思います。

海外旅行でデビットカードを使って快適に観光を楽しむためには、日本にいる時にデビットカードの発行元である金融機関などに詳しい話を聞いておくことも重要です。

デビットカードを使いこなして、楽しい海外旅行を満喫してくださいね!


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