デビットカードと聞くと、どんなことを想像しますか?

ネガティブな意見が多いのではないでしょうか?実はその意見、全て間違っていますよ。
たしかに、ひと昔前までのデビットカードは、クレジットカードよりも使える場所が少なく、キャッシュカードの延長という程度の物でした。
今現在、世界中はデビットカードでの支払いが当たり前になっていることをご存じでしょうか?
日本は経済大国でありながら、デビットカードの普及率がとても低いです。
ここまで日本がデビットカードの普及に遅れている理由の一つに「使い方を知らない」というものがあります。
今回はデビットカードの使い方を状況別に詳しく説明していきます。
目次
Jデビットカードと国際ブランドのデビットカードの違いは何?

まず皆さんがよく勘違いされている、Jデビットカードと国際ブランドのデビットカードの違いについて解説していきます。
Jデビットカードとは?
まず、日本人のデビットカードのイメージを悪化させた、Jデビットカードについて説明していきます。
Jデビットカードは、簡単にいうと「キャッシュカードで支払いできるカード」を指します。少しわかりづらいかも知れませんね。
キャッシュカードは、金融機関によってお金を引き下ろせる時間が限られています。
コンビニで深夜1時に使おうと思っても、Jデビットの発行元である金融機関のシステムが閉店していると、決済ができず、商品を購入することはできません。
また、後ほど紹介する国際ブランドデビットカードと違い、決済のシステムがJデビット専用の回線を利用している点も違いとして挙げられます。
国際ブランドデビットカードの決済情報の回線は、クレジットカードの回線を利用しています。
VISAのマークがついたお店では、VISAのクレジットカードの他に、VISAのデビットカードも利用できます。
元々Jデビットカードは、1999年に富士銀行が代表幹事となって設立された「日本デビットカード推進協議会」が発行したものです。
当時の「金融ビッグバン」の一つとして普及が期待されましたが、利用時間の制限などもあって、そこまで普及しなかったのも事実です。
日本の45万か所で使えるデビットカードではありますが、お昼にオープンしているお店が中心で、深夜にオープンしているお店では使えないことがほとんどです。
日本の生活時間帯が変わり始めた頃に発行されたこともあって、あまり普及しなかったのが現状です。
ただ、メリットが全くないわけではありません。
Jデビットを持っているだけで受けられるサービスや、家族であれば例え未成年、15歳以下であっても使えるという利点があります。
現在は発行している金融機関も少なくなり、ゆうちょ銀行や東和銀行、島根銀行、西京銀行、全国の信用金庫と、かなり限られています。
国際ブランドデビットカードとは?
デビットカードの普及率が急激に伸びたのは、国際クレジットカードブランドである「VISA」や「JCB」がデビットカードの取り扱いを始めたことがきっかけです。
これにより、今までクレジットカードしか対応していなかったネットショッピングなどを中心に、爆発的に普及率が伸びました。
ネットショップだけが恩恵を受けたわけではありません。VISAやJCBに対応している実店舗でも、デビットカードによる支払い方が浸透してきました。
デビットカードは、与信による支払い方法ではなく、銀行から直接支払いをすることができるカードです。
Jデビットと使い方は基本的に同じですが、決定的に違うのは、利用できる時間です。
銀行口座から直接支払いを行うという点ではJデビットと同じですが、支払い情報を更新するための回線が、VISAやJCBの回線を使っているため、例え銀行が閉店していたとしても、支払いに使うことができます。
デビットカードのシステムメンテナンスなどがある場合には、一時的に使えなくなることがありますが、滅多にありません。
ほぼ100%いつでも使えるということです。またデビットカードはクレジット番号が付与されているのに、発行の際には審査が行われません。
クレジットカードは、支払い方法を分割払いにすることができます。
これは、クレジット会社がいったん金額を立て替えた上でクレジットカードユーザーに分割して、立て替えたお金を返してもらうという仕組みで成り立ってします。
この仕組みを成り立たせているのは、他でもない「信用」です。
クレジットカードでは毎月決まった日に、期間中に使ったクレジットカードの金額を集計し、分割であれば分割分のお金と金利、分割手数料などを上乗せして請求します。
デビットカードは一括払いでのみ支払うことができます。

また、デビットカードは、金融機関の口座から直接支払いをするカードであるため、もし商品やサービスの金額が口座に入っていない場合には、支払いを完了させることができません。
信用云々というよりも、最初から使えないということです。
使える場所や、時間が増えたのに口座にお金がなければ全く使えないカードということですね。
状況別デビットカードの使い方

それでは本題であるデビットカードの使い方について解説していきます。基本的なデビットカードの使い方を学んでいきましょう。
デビットカードを店舗で使う
クレジットカードのように、ショッピングでデビットカードを使う場合、店員さんにデビットカードを渡すだけで支払いが完了します。
店舗によっては、暗証番号の入力を求められたり、サインを求められたりする場合もあります。デビットカードによって異なるのではなく、店舗の支払いシステムによって異なります。
デビットカードの種類によっては、カードを専門の端末にタッチするだけで支払いが完了するお店もあります。
この表示が無ければ、例えデビットカードの発行元である金融機関の口座にお金が入っていても、デビットカードで支払いを行うことはできません。
デビットカードを店舗で使う場合には、この表示を確認することが先決です。
デビットカードをネットショッピングで使う
デビットカードが普及したきっかけにもなったのがネットショッピングです。
ネットショッピングでデビットカードを使う場合は、カード自体を使うのではなく、カードに刻印されているクレジットカード番号が必要になります。
支払い画面で「クレジットカードで支払う」をクリックし、カード情報を入力します。
カードの裏面にあるセキリュティ番号の入力を求められる場合もあります。
カード情報を入力して、購入完了をクリックすれば、ネットショップでの買い物が完了します。
ネットショッピングでデビットカードを使用した際には、購入時間と決済時間に差が発生します。
これは、ネットショップ側で、残高があるかどうかをチェックした上で決済が確定するものなので、仕方がない部分ではあります。
デビットカードの利用毎にメールで使用履歴を送ってもらうように設定している場合には、その取引に対し2通のメールが来ます。
1通目が購入完了で、2通目が決済完了のメールです。

デビットカードでATMからお金を引き出す
デビットカードは、基本的にキャッシュカードと一体型になっています。デビット機能だけのデビットカードはありません。
キャッシュカードですので、コンビニのATMなどからお金を引き出すことができます。カードを入れて、暗証番号を入力して必要な金額を引き出すだけです。
デビットカードだからと言って、ATMが使えないわけではないのでご安心くださいね。
デビットカードで海外のATMからお金を引き出す

ATMに「VISA」マークや「Plus」マークがついていれば可能です。
手数料の金額については、デビットカードを発行している金融機関によって異なります。
クレジットカードの不正利用が怖かったり、ついついお金を使いすぎることを心配したりして、海外で使えるデビットカードを作る人も増えています。
注意しなくてはならないのが、デビットカードだけでは海外旅行は出来ないという点です。海外に旅行に行くと、ホテルに宿泊するのが一般的ですよね。
海外のホテルでは、チェックインの時に、保証料として宿泊費用の何%かを預ける決まりがあります。
基本的にはクレジットカードで保証料を支払うのは普通ですが、デビットカードではこのホテルの保証料を支払えません。

デビットカードの利用明細はどうやって確認する?

デビットカードを使うと、その場ですぐに利用明細を確認することができるものがあります。
それが、スマホアプリと連動しているタイプのデビットカードです。
ネットバンクにそういったサービスが多く、メガバンクのデビットカードでも利用明細をチェックできるアプリをリリースしています。
アプリが無くても、パソコンでチェックできるデビットカードもあります。
また先ほど少し触れましたが、デビットカードを利用する度に利用明細がメールで送られてくるサービスもあります。不正利用されたとしてもすぐに気づくことができるサービスですね。
デビットカードのトラブル

デビットカードを使う際、クレジットカードでは考えられないトラブルが起こる場合もあります。
ここからは、デビットカードでよく起こるトラブルについて説明していきます。
店員がデビットカードの仕組みを知らない?
デビットカードで支払う場合の注意点として「デビットカードで支払います」と伝えてしまうと、店員さんがデビットカードを理解していないのか、「当店ではデビットカードは使えません」と言われてしまうことがあります。
そういった場合、店員さんは「Jデビット」と勘違いしている場合がほとんどですので、支払いをする場合には「カードで、一括でお願いします。」というとスムーズに支払いを済ませることができます。
デビットカードが使えないものもある?
デビットカードは色々な支払いに使える便利なカードですが、万能ではありません。
特に、クレジットカードでは支払えるのに、デビットカードでは支払えないというサービスや商品があるのも事実です。
代表的な例は、ガソリンスタンドが挙げられます。VISAやJCBの表示があったとしても、デビットカードは使えません。

その理由は、決済方法がクレジットカードとデビットカードでは異なるためです。
最初に説明しましたが、クレジットカードは与信によって支払いができるカードです。口座にお金がなくても、後日引き落としの期限までに、口座にお金を入れておけば問題ありません。
クレジット会社が立て替えている決済方法です。デビットカードは立て替えの決済方法ではありません。
その場で直接口座から支払う決済方法のため、もし口座にお金がない場合、ガソリンスタンドに給油したガソリン代を支払えないということになります。
強引に引き落としさせたとしても、損失はデビットカードを発行した金融機関を負うことになります。
ただし、全てのデビットカードが使えないわけではありません。デビットカードの種類とガソリンスタンドの会社によっては、デビットカードの支払いができるスタンドもあります。
日本と海外のATMでは入れ方が違う?
これは、日本人だけではなく、海外の人も最初に戸惑うようです。
デビットカードを使ってATMで現金を引き出す際には、カードの向きが国によって違います。これは、ATMのシステムが海外と日本で異なるためです。
海外旅行でATMから現地の現金を引き出せなかったという方は、カードの向きを変えてもう一度操作をしてみましょう。
一番確実なのは、デビットカードを発行している金融機関に海外のATMで使う場合の向きを事前に聞いておくことです。
口座残高が少ない場合は決済できない
当たり前かも知れませんが、口座にお金がない場合は決済自体ができない場合があります。
デビットカードで支払い、足りない分を現金で支払うというのは、店舗の契約状況によって異なります。
手続きが面倒なので、店舗によっては、現金とデビットカードの併用を断られる場合もあります。
一つ注意しなくてはならないのが、デビットカードの残高が無いのに何度も支払いに利用しようとしていると、デビットカードが使用停止になる可能性があることです。

デビットカードの使い方Q&A

ここからは、デビットカードの使い方に関して、特に多い質問に答えていきます。

比較的多い質問ですが、デビットカードでは基本的に公共料金の支払いはできません。
ただし、一部のデビットカードでは、公共料金の支払いに対応しているものもあります。ネット銀行である楽天デビットカードやPayPay銀行デビットカードでは公共料金の支払いに対応しています。
楽天デビットカードで公共料金を支払うと、ポイントプログラムで支払った金額に応じてポイントが付きます。
ポイントは楽天の各種サービスで利用することもできますし、楽天モバイルを使っているのであれば、携帯料金の支払いに充てることもできます。

デビットカードの使い方には差がありません。これまで解説してきた使い方は、全ての種類のデビットカードで利用可能です。
注意しなくてはならないのが、VISAやJCB、Jデビットが利用可能であるステッカー等の表示の有無です。
表示が無い場合には、デビットカードはおろか、クレジットカードも使えません。

デビットカードで見慣れない利用履歴があった場合は、すぐにデビットカードの発行元である金融機関に連絡をしましょう。
不正利用だった場合、長い期間放置しておくと、補償が効かなくなることもあります。
また、デビットカードの使用履歴でアルファベットと数字だけの履歴(少額)があって、何に使われたかわからない場合、VISAやJCBの締め日以降や、金融機関が設定した履歴更新時に詳細情報が判明します。
手数料などの可能性もあるため、見慣れない利用履歴があれば、一度締め日や履歴更新日まで待ってから不正利用かどうかを判断してもいいでしょう。
デビットカードは仕組みさえ分かっていれば使い方は簡単!
デビットカードの使い方について解説してきました。
いかがでしょうか?最初にデビットカードに持っていたイメージとは全然変わりませんか?








冒頭で述べたネガティブな意見がポジティブに変わりませんか?
デビットカードは与信審査が無いため、銀行口座を作ることができれば、すぐに作ることができます。(年齢制限など有)
是非使い勝手のいいデビットカードを作ってみてはいかがでしょうか?
「海外で使えない。」
「クレジットカードの方が便利」
「Jデビットのマークのある所なんてスーパーくらいでしょ?使えないよ。」