JCBデビットカードのメリットデメリット・使い方・特典を徹底解説

クレジットカードよりも使いやすいとの評判がデビットカードにはあります。

海外、特にアメリカやイギリスでは、クレジットカードの所有者数よりも、デビットカードの所有者の方が多いという事実もあります。

デビットカードは、使い方次第でクレジットカードよりもお得に、そして便利に利用することができます。

日本発の国際ブランドである、「JCB」のデビットカードの評判が徐々に高まっているのはご存知ですか?

また、発行している金融機関によって、特典があるデビットカードもあります。

今回は、JCBデビットカードのメリットとデメリット、そしてお得な使い方や、特典について徹底的に解説していきます。

デビットカードの国際ブランド選択で迷っているかたは、必見のコラムですよ!

デビットカードとは?

デビットカードとは?

JCBのデビットカードを説明する前に、デビットカードの基本的な知識についておさらいしていきましょう。

クレジットカードとは何が違う?

デビットカードとクレジットカードは、その支払い方法に決定的な違いがあります。

それが「支払い方法」です。

デビットカードは、金融機関の口座から直接お店や企業などに決済を行います。

クレジットカードの場合は、最初にクレジットカードを発行したクレジット会社が全額を立て替えて支払いをし、その後に、クレジット会社にお金を返済するという支払い方法です。

デビットカードは支払い回数を選べず、全て一括で支払いを行うのが基本です。

クレジットカードは、一旦クレジットカード会社に立て替えて支払いをしてもらっているため、利用料金に手数料(利息)を上乗せして返済することで、

  • 「分割払い」
  • 「リボ払い」
  • 「ボーナス払い」

などの支払い回数が複数回あるものや、今すぐに支払わなくてもいいという事が可能になります。

その分割払いなどの支払い方法を可能にしているのが、「与信」「クレジットヒストリー」などと言われている「信用力」です。

クレジットカードの発行には、基本的にカード発行に伴う「審査が発生」します。

この「審査」では、信用力をチェックして、貸し倒れにならないかを調べています。

お金を立て替えて支払っても問題ないと判断されれば、クレジットカードを作成することができますが、もし信用に値しないと判断されれば、クレジットカードを発行してもらうことができません。

「審査」の有無もデビットカードとクレジットカードの大きな違いの一つです。

デビットカードは、基本的に審査がありません。それは、「支払い方法」が「信用力」が必要ない、口座直結の決済手段だからです。

デビットカードを発行しているのは、銀行などの金融機関です。

デビットカードは、支払いの際に口座残高が少なければ、商品自体、サービス自体を購入することができません。

クレジットカードは、購入するタイミングで口座残高が少なくても、立て替え払いであるため、決済を行うことができます。

デビットカードとクレジットカードの大きな違いの根本的な理由は、この「支払い方法」の違いにあるということです。

国際ブランドとJ-Debit

日本国内で利用できるデビットカードには、VISAとJCBという国際ブランドが提携しているものと、日本独自の「J-Debit」という3種類があります。

J-Debitは、サービスの提携を行なっている金融機関が発行したキャッシュカードに付帯しているデビット機能サービスのことです。

使い方は、国際ブランドのデビットカードと同じですが、利用できる加盟店などに大きな制約があります。

元々は、日本政府が提案した「金融ビッグバン」の普及策の一つとして2000年以降に広まりました。

JTBや家電量販店各社、マツモトキヨシなどの有名企業が提携先として名乗りをあげます。

発行している金融機関は、都市銀行や地方銀行、信用組合や信用金庫、日本郵便など、日本中の金融機関の大多数が、デビットサービス「J-debit」の導入を決定しました。

加盟店は、日本全国に45万店舗あります。

ただし、利用できる時間が各金融機関のATM利用可能時間と同じことから、現代の日本のライフスタイルに合致していないのがデメリットです。

国際ブランドのデビットカードは、24時間365日利用できるのに対して、朝は8時から夜21時までしか使えないJ-Debitは、あまり利用者を増やすことにはなりませんでした。

国際ブランドが日本のデビットカードに参入してからは、徐々に加入者を減らしています。

一方国際ブランドであるVISAとJCBは、クレジット三大国際ブランドと呼ばれている有名なクレジットブランドです。

以前は、もう一つの三大国際ブランドのマスターカードもデビットカードを日本で展開していましたが、現在は日本での取り扱いはありません。

日本のデビットカード業界は、VISAとJCBがシェアの奪い合いをしています。

海外のデビットカード事情

海外でもアメリカとイギリスは、デビットカードユーザーの数が特に多い国として有名です。

海外の先進国、特にヨーロッパやアメリカは、日本に比べ現金ではなく、カードで支払うのが普通です。

映画やドラマなどで、紙幣を丸めて支払っているシーンがありますが、実は現実的な決済方法ではないという事ですね。

イギリスを中心としたヨーロッパでは、現金の次に人気だった支払い方法が「小切手」による決済方法でした。

しかし、小切手は紙媒体であるがゆえにその処理方法が煩わしく、受け取るお店側にとっても大きな負担になりました。

クレジットカードが開発されてからは、小切手ではなくカードで支払うことが当たり前になりましたが、際限なく使えるクレジットカードの危険な側面は、イギリス経済に大きな影を落とします。

そこで注目されたのが、銀行口座から直接支払うことができ、口座の残高以上は使うことができないデビットカードです。

ヨーロッパの人は、お金の管理に関してはとてもシビアです。税金などの兼ね合いもありますが、その金銭意識は日本人以上に合理的と言われています。

アメリカはクレジットカード発祥の国ですが、現在ではデビットカードの所有者数の方が上回っています。

リーマンショックなどの金融危機が度重なり、クレジットカード会社の審査がかなり厳しくなったことが、デビットカードの所有者数を増やす要因になったのではないかという指摘もあります。

アメリカでは、クレジットカードとデビットカードの両方を持っているというユーザーも少なくありません。

teacher
デビットカードのメリットとデメリットを理解しているからこそ、二つの種類のカードを使い分けて、お金を管理しているという事ですね。

デビットカードのメリット5つ

デビットカードのメリット5つ

先ほども少し触れましたが、デビットカードのメリットについて説明していきます。デビットカードのメリットは、大きく分けて以下の5つです。

1.使い過ぎの防止

口座残高分しか利用できないため、クレジットカードのように金額に際限なく使うことができません。

普段からクレジットカードで収入以上の買い物をしてしまう人にとっては、余計な支出を抑えるのに役立ってくれることでしょう。

2.基本的に審査なしで発行できる

デビットカードは一括払いが原則のため、デビットカード発行に伴う与信審査が必要ありません。

ただし、後払いサービスなどが付帯しているデビットカードには与信審査が必要なものもあるため、デビットカードを申し込む際には注意が必要です。

3.ATM手数料が必要ない

ショップでカードを渡す、もしくはタッチするだけで決済が完了するため、現金を引き下ろす必要がありません。

現金を引き出す際の手数料がかからないというのもメリットでしょう。

teacher
デビットカードの中には、一定回数ATM引き出し手数料が無料になるカードもあります。

4.ポイント付与やキャッシュバックがある

クレジットカードにもポイント付与やキャッシュバックがありますが、支払い方法で一括払い以外の支払い回数を選択すると、分割手数料が加算されるため、デビットカードのポイントよりも若干損をしてしまいます。

ポイント付与やキャッシュバックをお得に受けられという点では、デビットカードに分があると言えます。

5.ネットショッピングに利用できる

クレジットカードを持っていない人にとって、ネットショッピングの支払い方法は、

  • 「代引き」
  • 「銀行振込」
  • 「コンビニ後払い」

などのカードが介入しない支払い方法しか選べませんでした。

しかし、デビットカードはクレジットカードのように、カード番号などを入力するだけで決済が完了するため、すぐに欲しい商品を購入して発送してもらうことが可能です。

デビットカードのデメリット5つ

デビットカードのデメリット5つ

デビットカードにはメリットだけではなく、デメリットも存在します。デメリットは大きく分けて以下の5つです。

1.支払い方法は一括払いのみ

使い過ぎを防止できるというメリットではありますが、高額な商品を購入するためには、その金額が口座に用意されていなければ利用することができません。

分割払いやリボ払い、ボーナス払いが使えないため、商品の値段によってはデビットカードのデメリットになります。

2.家族カードやETCカードが発行できない

クレジットカードがあれば、家族カードや高速道路で使えるETCカードを発行できますが、デビットカードでは、家族カードの発行やETCカードの発行ができません。

支払い方法が一括先払いという原則のため、どうしても後払いがメインの商品やサービスには利用できないのがデビットカードです。

家族カードが未成年向けという事を考えると、デビットカードは15歳以上から発行できるものもあるため、実際に銀行口座を作って、その口座に紐づいたデビットカードを利用すればいいでしょう。

ETCカードに関しては、現行のルールが改正されない限り、デビットカードで作成するのは厳しいと言えます。

現状では違う方法でETCカードを作る方法しかありません。

3.高速道路の通行料金やガソリンスタンドで使えない場合も

ETCカードが作れないと同時に、高速道路の通行料金支払いにもデビットカードは利用できません。

これには、高速道路を運営する会社のシステム上の問題が原因です。

高速道路の通行料金は、現金で支払う場合には問題ありませんが、クレジットカードで支払う場合には、その料金請求が即時行われるわけではなく、高速道路会社の定めた日に一括で請求される方式になっています。

そのため、デビットカードに高速道路の料金分の現金が口座にあったとしても、請求されるのが後日になるため、その請求日に口座残高が残っているという証明ができません。

クレジットカードであれば、クレジットカード会社が一括して立て替えて支払うため、利用に問題はありません。

ガソリンスタンドも料金決済システムと給油システムの都合上、デビットカードが利用できません。

高速道路の決済システムとは若干異なりますが、ほとんどのガソリンスタンドではデビットカードを利用することができないので注意すべきです。

ただ、最近になって金融機関ごとに提携するガソリンスタンドでは、デビットカードを利用してガソリンを給油することができるものも増えてきています。

4.キャッシング機能がない

キャッシングとは、現金を引き出して借りることです。

クレジットカードにショッピング枠とキャッシング枠がありますが、デビットカードは口座にある金額でしか決済ができないため、お金を借りるということはクレジット同様に不可能です。

デビットカードは、基本的にキャッシュカードと一体型になっています。

ATMで引き出せるのは、口座に入っている残高のお金であって、金融機関から借りるキャッシングではないという事ですね。

5.審査があるデビットカードがある

先ほども触れましたが、デビットカードの中には、審査が必要なものもあります。

代表的なカードがイオン銀行の「イオンデビットカード」です。

このカードには、10万円分の「立て替えサービス」が標準装備されています。

そのため、クレジットカード同様の与信審査が行われてしまうため、クレジットカードを作れない人にはカードの発行を断られてしまう可能性が高いです。

他のデビットカードも、同様の立て替えサービスや、キャッシングサービスが付帯しているものは審査が必要になりますので、カードを申し込む際には注意をしておくべきでしょう。

JCBデビットカードとは?

JCBデビットカードとは?

デビットカードについておさらいが済んだところで、本題のJCBデビットカードについて説明していきます。

特徴や使い方、特典の他、メリット、デメリットを知ってJCBデビットカードをより使いこなせるようになりましょう。

JCBデビットカードの特徴

国際ブランドであるVISAがデビットカードに参入したのが、2006年のスルガ銀行発行のデビットカードが最初です。

それから遅れること8年、地方銀行である千葉銀行にJCBブランドのデビットカードが参入しました。

地銀を中心に展開していましたが、爆発的にJCBブランドのデビットカードが普及したのは、「楽天銀行」の影響が大きいでしょう。

年会費が永年無料で、ポイント還元率が1.0%~15.0%になるというのは、楽天JCBカードならではの特徴でもあると言えます。

楽天に限ったことではありませんが、JCBデビットカードの多くは、ポイント還元率がVISAデビットカードに比べても高いです。

そして年会費が無料(実質無料含む)のカードが多いです。

VISAデビットカードにも年会費無料のカードがありますが、ポイント付与やキャッシュバックの還元率に関しては、かなり抑えられていると言えます。

後発のデビットカードですから、世界最大規模を誇るVISAに追いつけとばかりに、サービスを充実させているのが大きな特徴の一つですね。

JCBデビットカードの使い方

JCBデビットカードは、クレジットカードと同じように、支払いの際にショップスタッフへカードを渡して決済処理をしてもらうことでカード支払いができます。

VISAデビットカードとの使い方の違いは、カードを専用端末にタッチするだけで使える「VisapayWAVE」の有無です。

JCBには、VisaPayWaveのようなタッチ決済端末が存在しません

今後ライバルであるVISAの動向を見て導入を検討するかも知れませんが、現状ではタッチ決済は未導入のままです。

JCBデビットカードの特典

JCBデビットカードには、発行している金融機関のサービスとは別に、JCB独自のサービス特典があるのをご存知でしょうか?

JCBデビットカードのライバル、VISAの世界加盟店数には及ばないものの、日本国内のカバー率はほぼ100%に近いです。

病院などの公共機関でも利用できます。

海外旅行ではVISAデビットカードの方が利便性は高いですが、JCBデビットカードには、海外旅行中の万が一に日本語で対応してもらえる「JCBプラザ」があります。

観光客の多い、

  • 「アメリカ」
  • 「韓国」
  • 「台湾」
  • 「中国」
  • 「シンガポール」
  • 「バンコク」
  • 「フランス」

に支店があります。

JCBデビットカードを持っているだけで、JCBプラザを無料で利用することが可能で、パスポートの盗難や紛失時のサポートの他、観光情報の閲覧や、無料WI-FIスポットの提供など、海外旅行に必要な情報を日本語で取得できる特典があります。

海外旅行の万が一で最も大変なのが、「言語」です。始めての国などでは、英語が堪能な人でも対応に苦労することが多いです。

teacher
日本語で対応できる現地スタッフがいれば、万が一のことがあっても安心できますね。

JCBデビットカードのメリットとデメリット

ここではJCBデビットカード独自のメリットとデメリットについてまとめていきます。

JCBのメリットは、なんといっても「国内利用がお得」という事です。

年会費無料やポイント還元率などは、VISAデビットカードに比べると雲泥の差と言えるでしょう。

今後もVISAデビットカードとの差別化を図るために、ポイント還元やキャッシュバック還元を増やしてくる可能性が高いのもメリットですね。

逆にデメリットは、海外での利便性が低いという点です。

VISAデビットカードは、前述したガソリンスタンドなど以外のほとんどのお店で利用できます。

JCBデビットカードは、世界加盟店数はVISAよりも少なく、国やお店によって全く使えないという所もあります。

また、現地通貨をATMで引き出す際にも、その利便性の差が出てきます。

VISAデビットカードは、海外のATMで現地通貨を安い手数料で引き出すことができますが、JCBのデビットカードでは、現地通貨を引き出す際に、VISA以上の手数料が発生することもあります。(金融機関による)

そのため、海外の利用となると、後塵を拝しているのが現状です。

日本国内の利用に限るならJCBデビットカードの方が断然お得!

teacher
JCBデビットカードは、日本国内の利用に限っては、クレジットカードやVISAデビットカード、J-Debitに比べとてもお得なカードと言えます。

ポイント還元やキャッシュバック還元、年会費無料であることを踏まえても、かなり使えるカードです。

カード発行の審査がなく、年会費も無料のものも多いため、最初のデビットカードとして作る人も多いですね。

デビットカードのメリットやデメリット、JCBの特徴や特典を理解した上でカードを検討してみてはいかがでしょうか?

文中に出てきた楽天カード以外にも「使える」カードが目白押しですよ!


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